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title: "File-first: ファイルが信頼できる唯一の情報源"
description: "ノートはディスク上のプレーンなMarkdownファイルであり、それ自体が信頼できる唯一の情報源です。インデックス・グラフ・検索は、いつでも作り直せる派生物にすぎません。"
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# File-first: ファイルが信頼できる唯一の情報源

Notariumにおけるデータの単位は、ディスク上のプレーンなMarkdownファイルです。どこか他人のデータベースの1行でもなければ、独自形式のストアに収められたブロックでもありません。どんなエディタでも開けて、Notariumがなくてもそれだけで完結するファイルです。これがfile-firstの原則であり、ほかのすべてはここから導かれます。

## 何が「真実」で、何が派生物か

信頼できる唯一の情報源は、`.md`ファイルそのものです。その中身から計算できるものはすべて派生物であり、失っても作り直せます。

- **派生物**(再スキャンでゼロから再構築できるもの): 検索インデックス、`[[wikilinks]]`のグラフ、ツリー、スニペット。インデックスを消してしまっても慌てる必要はありません。エンジンが次回の起動時にファイルを再インデックスします。
- **派生できないもの**(独立したメタデータデータベースに置かれるもの): バージョン履歴、ユーザー、メンバーシップ、アクセス権。これらはファイルのテキストからは復元できません。だからこそ、はっきり切り分けられたひとつの置き場所にまとめてあります。

一方、アイデンティティはファイル自身に刻まれています。ノートの`notarium-id`はフロントマターに、スペースとプロジェクトの識別子はマーカーファイル(`.notariummeta`)にあります。そのため、メタデータデータベース内のスペースとプロジェクトのテーブルは、スキャンで再構築できるキャッシュであって、アイデンティティの唯一の置き場所ではありません。フォルダをNotariumの外へ移しても、アイデンティティは生き残ります。

> [!note] なぜこれが重要か
> インデックスを失っても痛手はありません。作り直されるだけです。その過程でファイルに手が加わることは決してありません。書き込みはアトミックで(一時ファイルに書いてからリネームします)、外部からの編集(gitや別のエディタ)はエラーではなく通常の使い方として扱われます。

外部からの編集は、ファイルのサイズと更新時刻が以前のままでも拾われます。`git checkout`や同期、アーカイブからの復元のあとに起きるのは、まさにこの状況です。Notariumはファイルのメタデータを鵜呑みにしません。最終的な判断を下すのは中身のほうであり、だからこそ派生物である一覧・検索・グラフは、古いバージョンに張り付いたままにならず、実際にディスク上にあるものへ収束します。

## ブロックではなく、1ファイル=1ノート

境界はあえてこの位置に引かれています。データの単位はファイル1つ分のノート全体であり、その中の段落やブロックではありません。Notariumはファイルより小さな独立したエンティティを一切導入せず、ノート全体が最小単位のままです。ファイルベースのノートアプリが信頼できる情報源をデータベースへ移し、ポータビリティを失うのは、たいていまさにこの地点です。ノートはファイルのままで、その内部の構造はただのMarkdownにすぎません。

ノートはGitHub Flavored Markdownとしてレンダリングされ、メタデータのフィールドはファイル冒頭のフロントマターに保存されます。

## アイデンティティは引っ越しても生き残る

どのノートにも、`notarium-id`という安定した内部識別子があります。ファイルのフロントマターに置かれる、12文字のURLセーフなキーです。

```md
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notarium-id: aB3kR7xQ_2mv
title: 私のノート
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プレーンなMarkdownで書かれたノートの本文。
```

アイデンティティはデータベースの中だけでなく、**ファイルそのものの中**にあります。だからこそ、リネームしても、フォルダ間で移動しても、さらにはNotariumの管理外へ持ち出しても、バージョン履歴やつながりが宙に浮くことはありません。ログもリンクも、パスではなく`notarium-id`に紐づいているからです。ファイル名は派生物であって(トランスリテレーションによるkebab-case、`slug(title).md`)、アイデンティティではありません。

## ロックインはありません

ファイルの入ったフォルダを持って、いつでも出ていけます。Notariumがなくても、ノートは読める状態のまま、内容も欠けません。エクスポートという別立ての操作は要りません。そもそも「中に入る」ということ自体がなく、データは常にプレーンなファイルとしてあなたのディスクに置かれているからです。`git`を信頼できる情報源にすることもできます。フォルダをバージョン管理し、同期し、使い慣れたツールで履歴をたどってください。

これはNotariumのプライバシーの土台でもあります。その土台はエンドツーエンド暗号化ではありません(Notariumのサーバーは「賢い」ぶん、中身を意図的に見ます。そうでなければ、検索もセマンティクスもエージェントも成り立ちません)。サーバーとファイルをあなた自身の手元に置いている、という事実にこそ支えられています。詳しくは[スペースとプロジェクト](/docs/concepts/spaces-and-projects/)と[アクセスモデル](/docs/concepts/access-model/)をご覧ください。
